うわっ!ウェーブフィルターをリンスしようとしたらグシャグシャになっちゃった!
昨今スペシャリティコーヒー界で、大会やカフェなどでも広く使用されていてきている「Kalitaウェーブドリッパー」をはじめとする、フラットボトム(底が平らな)のドリッパー。
それに合わせる代表的なペーパーフィルターといえば、ウェーブフィルターです。
こちらの特殊な波を打つようなペーパー、美しいですよね。
ですが円錐形・扇形のフィルターをいつもお湯でリンスしている方が、いつも通りお湯をかけると・・
上のようになってしまった経験ありませんか?こうなってしまうとせっかくの美しい形が台無しですし、フィルターの構造が崩れるので、本来持っている抽出効果が発揮されないのではないかと思います。
今回はそもそもペーパーリンスは必要なのか、きれいにリンスするにはどうしたらよいかを解説していきますね。
ウェーブフィルターって何?
ウェーブフィルターはKalitaが販売している「ウェーブドリッパーシリーズ」のためのフィルターです。
ウェーブドリッパーはこのように他のドリッパーと違い、ドリッパー自体には側面のリブ(凹凸)がありません。ウェーブドリッパーはタイトルの写真のように、特殊な波のような形状をしたフィルターを一緒に使用することで完成されるドリッパーなのです。
つまり、このフィルターの形状がコーヒー抽出に非常に大事だということです。ということは、形状が崩れてしまうと本来の意図した味わい出せない可能性があるのではないでしょうか。
ペーパーリンスは必要?
ペーパーリンスとは
冒頭からペーパーリンスという言葉を使っていますが、そもそもペーパーリンスとはどういう行為なのでしょうか。
ざっくりといえば、「抽出前にペーパーを湯通しすること」です。
ではなぜそのようなことをするのでしょうか。その理由としては主につぎのようなことが挙げられます。
- フィルターの紙臭さを落とす
- ドリッパーとサーバーなど器具を温め、湯温が下がらないようにする
- フィルターが成分を吸わないようにするため
またの機会に細かい検証はしたいと思いますが、私個人としては可能ならリンスはした方がいいのではないかと思っています。それは、どんなフィルターでも実際にリンスした後のお湯を嗅いでみると、ある程度の匂いがするからですね。
これが実際、味にどこまで影響しているのかといえば通常はわからないレベルかと思いますが、わかるレベルの匂いがするならやっておいた方がいいかなという考えです。
あと器具は温めておくのは味の安定性を担保するには必須なので、どうせ器具を温めるなら一緒にリンスもしてしまおうということもあります。
ペーパーリンスは「きのこ・たけのこ論争」のように、今なおプロの中でもリンスする派・しない派が分かれるほど、どちらの方ががいいのかという結論はなさそうです。
ウェーブフィルターのリンスは必要か
ではウェーブフィルターはリンスをした方がいいのかということですが・・・私個人の結論としては
「リンス推奨」です。
今回取り上げるにあたり、こちらは「リンスしたもの」と「リンスしていないもの」で比較してみました。
豆は先日購入したMARKETLANE COFFEの「ブラジル」の浅煎りです。
リンスをした方
リンスをしていない方
見た目でわかるのは、リンスをした方がコーヒーを吸っているように見えることですね。これが良いことなのかよくないことなのかも含めて検証の余地がありそうですが、
ともかくとして味わいとしては、
「リンスをした方」がコーヒーが持つフレーバー、主に酸味の部分がしっかりと感じられました。特に浅煎りのスペシャリティコーヒーなどでは強く感じられます。
「リンスをしていない方」はよく言うと「丸い」味わい。ペーパーからでる成分や香りのせいなのでしょうか、少しやわらかい印象に感じます。ただしそれはコーヒー豆が持っている味ではなく、雑味ともいえるなというイメージでした。抽出している最中にも、少しコーヒーの香り以外が立ち上ってくる感じもありました。
この感想が正しいかどうかは数値で計っているわけではないので、真実ではないかもしれません。
ただし、このコーヒーのフレーバーテキストを正確に表していたのは間違いなく「リンスをした方」でしたので、豆の持つ味わいをストレートに感じるために、私個人としてはウェーブフィルターにはリンスを推奨したいと思っています。
ウェーブフィルターのリンスの仕方
ではようやく本題として、ウェーブフィルターのリンスで型崩れを起こさないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。今回紹介するのは、大きく3つです。
- お湯のかけ方を工夫する
- アシストツールを使用する
- 50枚入りの商品を使う
お湯のかけ方を工夫する
ペーパーに熱湯をかけると、水分によってペーパーの形状が変化します。円錐形や扇形のフィルターの場合、基本的にドリッパーに張り付く形状ですので特に問題なく雑にリンスできます。
ですが、ウェーブフィルターは特殊な形状をしているために、他のフィルターと同じように雑にお湯をかけてしまうとそのかけた部分から形状変化が起きてしまい、型崩れが起きやすいのです。
特にウェーブフィルターの外側の波を打っている部分はそれが起こりやすいので、最初から外側にお湯をかけると偏った形状になってしまいがち。
それを回避するには次のような手順でリンスをするのがおすすめです!
まず最初は平らな底面にお湯をかけます。底の収縮を固めましょう。
底面にお湯をかけるとじわじわと側面にも水分が染みていきます。そうしたら少しずつ側面のウェーブ部分の下の方からお湯をかけていきましょう。
ある程度水分が行き渡ったら、もう型崩れは起きにくいので、上から全体的にお湯をかけてリンスして大丈夫です。
ちょっとテクニックがいるけど、ある程度うまく形が残せましたね!
アシストツールを使用する
お湯のかけ方次第である程度の型崩れは緩和できました。このくらいであれば特に問題ないと思いますが、私のようにもっときれいにしたい、ちょっと崩れてるのが気になるという方向けに、アイテムの紹介もしておきますね。
色々調べている中で、私もよく拝見する「Kenken Coffe」さまで紹介されていたものです。
私が購入したのはこちらで紹介されているものよりも小さいものです。ウェーブドリッパーのサイズによって違いますのでご注意ください。これでリンスをするとこんな感じ。
すごくきれいに形が残りますので、もしもお湯のかけ方の工夫でもまだ気になる方は購入検討してみてはいかがでしょうか。
雑にリンスができて効率的。なにより「かわいい」ですよね!
AliExpress(アリエクスプレス)やAmazonでも販売されています(2024年7月現在)
50枚入りを購入する
どういうこと?と思うかもしれませんが、Kalita公式ページでは50枚入りしかラインナップにないようなのですが、通販サイトなどではもっと量の多い、100枚入りや業務用の枚数商品が販売されているんです。
量がたくさん入っていて非常にお得で良いのですが、実はこれが「罠」というと言いすぎですが、ウェーブフィルターは形状的に数が多ければ多いほど、1枚1枚に個体差が出てきます。
製品上重ねてパッキングされているのですが、下の方が広がりが大きく、上の方は狭くなっています。
実際に並べてお見せすると、
左が「50枚入りの一番上」にあったペーパー、右が「100枚入りの一番下」にあったペーパーです。
こんなに違うのは、ちょっとびっくりですよね。フィルターとしてはもちろん問題ないのですが、ドリッパーにはめた時のフィット感にだいぶ差があるように感じます。
つまり、できれば50枚入りの通常の数の商品を購入する方が、フィットしやすいので安心だと思っています。
まとめ
今回はウェーブフィルターのリンスについてお話しました。
リンスについては他のフィルターではどうなの?メーカーによっても違う?紙の色や素材によって違う?などなど語りつくせない部分はあります。
今回はリンスをすることを前提としてお話しましたが、またの機会に様々な検証などもしてみたいと思っていますので、お楽しみに。
最後までお読みいただきありがとうございます。それではまた。